11月23日
こんにちは。もうあと1ヶ月くらいしたらクリスマスですね。
今回はフィボナッチ数列という数列について紹介します(最近日付から引っ張り出してきた数の性質かその日の出来事ばっかりだったので(^_^;))。聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。また、この話題については何週間か連続で書いていきたいと思います。
フィボナッチ数列というのは
$$1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, ・・・$$
という、ある数がその前の数と前の前の数の和になっている数列です。例えば8。8の前の数は5で、その前の数は3ですよね。3+5=8という関係性があります。それで、5と8を足すと13、その次は8+13で21になります。ちなみになぜ今日がフィボナッチ数列かと言うと、11月23日→1123→1, 1, 2, 3とフィボナッチ数列になるからです(無理矢理)。
このフィボナッチ数列。何となくあまり規則性がないように感じませんか?
例えばこんな数列を考えるとしましょう。
$$1, 2, 4, 8, 16,・・・$$
この数列の規則性はちょっと考えればわかるかと思います。1に2をかけて2、2に2をかけて4、4に2をかけて8、・・・と一個右に行くに連れ2がかかっていますね。さて、数列には一般項というものがあります。数列のn番目の数(例えばこの数列で3番目なら4)を$a_n$として、こんな風に表します。
$$a_n=2^{n-1}$$
例えばn=1($a_1$)なら、$a_1=2^0$なので1になります。これは数列の一番目の数1と一致していますね。2番目、3番目でも同じ結果になります。
話を戻しましょう。あの前の数と前の前の数の和がその数になるなんて数列、規則性なんてあるんでしょうか?いや、規則性は定義の通りなんですが、さっきの一般項とやらでいい感じに表せないでしょうか。定義通りに表そうとすると
$$a_n=a_{n-2}+a_{n-1}$$
となりますが、これを計算するためにはまず$a_{n-1}$番目までフィボナッチ数列を書き出さなければなりません。それは少しめんどくさいですね。ここで求めるのは、唐突に1000番目の数などと言われて即座に答えを出せる、そんな式です。
...実は、あるんです。即座に答えを出せる式が。
$$a_n=\frac{1}{\sqrt{5}}\{(\frac{1+\sqrt{5}}{2})^n-(\frac{1-\sqrt{5}}{2})^n\}$$
なんか複雑ですね。ていうかルート5?めちゃくちゃ無理数じゃないですか??
とりあえず、なにか入れて計算してみましょう。フィボナッチ数列の4番目の数は3ですね。4番目なのでn=4です。
$$a_4=\frac{1}{\sqrt{5}}\{(\frac{1+\sqrt{5}}{2})^4-(\frac{1-\sqrt{5}}{2})^4\}$$
$$=\frac{1}{\sqrt{5}}\times{3\sqrt{5}}$$
$$=3$$
3になりました!不思議ですね。最初のルート5分の1のおかげで無理数ではなくなっています。
なんでこれで計算できるのか?実はこの式、『ビネの公式』とよばれているんです。
$$\frac{1+\sqrt{5}}{2}$$
この部分、実は『黄金比』というものと関係があるんです。ビネの公式が成り立つのはこの黄金比のおかげ。次回はビネの公式がいかにして証明されるか、解説していきたいと思います。
では、来週からも張り切って!