3月2日
こんにちは。明日は日曜日で、一応一週間が始ます。それがわかっていれば『明日から一週間が始まる!』なんていう変なストレスから少しだけ開放されるかもしれませんよ。
先週はズッカーマン数の性質に関する問題でした。
『nからn+11までの自然数のなかに、ズッカーマン数は12個あったよ。nはなんでしょう?』
仮にこれを満たす$n$があるとします(仮定)。すると連続した(1,3,7…などバラバラでない)12つの自然数の中に12つズッカーマン数があることになりますね。言わなくてもわかると思いますが、12回連続でズッカーマン数になっているんです。
この問題の解がないことを証明するには、ズッカーマン数がそんな何回も連続で出現することがないことを証明すれば良さそうです。
実はこれ、有名なズッカーマン数の性質なんです。
まず、10の倍数はズッカーマン数ではないですよね。それぞれの位をかける時に0が含まれると積が0になってしまうためです(0で数は割れない)。
次に、10の位が偶数で1の位が奇数である数を考えます(100の位、1000の位…があってもいい)。
この数、10の位が偶数なので、積も偶数になりますよね。ただ1の位は奇数であり、その数自体は奇数であるはずです。数は奇数、積は偶数になってしまうので、これもズッカーマン数ではありません。
最後に、10の位が奇数、1の位が4の倍数である数について考えます(どういう着想?)。
この場合、1の位が4の倍数なので、積も4の倍数になりますよね。
しかし、ここで少し頭の転換。
10の位が奇数ということは、
$$その数の10の位=20×x+10$$
と表されますよね。奇数は、
$$2×x+1$$
と表されることの応用です。
しかし、それに1の位を足して、
$$20×x+10+4×y$$
が4の倍数かと言われると、そうではないんですね。だって、
$$(20×x+10+4×y)÷4=5×x+y+(10÷4)
となってしまうからです(下二桁が4の倍数なら4の倍数になる。100の位以上は$100÷4=25$という式から4の倍数になるから)。
これらのことから、
・10の倍数の場合
・10の位が偶数で1の位が奇数である場合
・10の位が奇数、1の位が4の倍数である場合
は、ズッカーマン数にならないことがわかりました。
これを踏まえてズッカーマン数が最高何回連続で現れるか(10の位もこれまで考えてきました。ただ1桁の場合、10の位を考えると積が0になってしまうので、10の位を考えてはいけませんよね。ここでは、1桁の場合は除きます)を考えます。
10の位が偶数のときは、1の位が奇数だといけないので、2回連続で現れることはないですね。ただ、10の位が奇数のときは、絶対違うのは1の位が4の倍数のときだけですので、最高3回連続で現れる事がわかります。
これを踏まえると、1桁の場合以外は4回連続でズッカーマン数とはならないのですね。
『nからn+11までの自然数のなかに、ズッカーマン数は12個あったよ。nはなんでしょう?』
nが1だとします。
1から12までとなりますが、10はズッカーマン数ではありません。nが2、3、と考えていくと、数の中に1桁の数があっても10が邪魔して12個連続にはならないので、12回連続ということはありえないことがわかります。
よって、この問題に解がないことがわかりました!
このように、ズッカーマン数は1桁の場合を除き4回連続では現れないんです。ところどころ『なんでそんな着想に!?』と思ったところがあるかもしれません。でも、『何が分かれば、証明までたどり着けるか』を考えれば、そこまで理解は難しくないのかもしれません。
難しく高い壁ほど、ちょっとした場所に突破口が見えてくるものです。
数学のいいところって、そういうところですよね。
本日のクイズはお休みです。