8月3日

こんにちは。いよいよ8月、夏本番になってきます!

今回は『安全素数』という数について紹介します。

まず、安全素数を羅列しますね。

$$5,7,23,47,59,83,107,167・・・$$

一見法則性がなさそうで不規則に見えます。実はこの安全素数、無限個存在するかどうかが解明されていないんです。

安全素数とはなにかを説明すると、『$p$と$2p+1$が共に素数であるときの$2p+1$』となります。

どういうことか。まず、安全素数である5を例に考えてみます。

$2p+1$の方が安全素数なので、$2p+1=5$のときのpを考えます。

簡単な方程式で、$p=2$ですよね。このとき、pも素数です。

pも2p+1も素数なので、この2p+1は安全素数です。

2p+1が23の場合、pは11で、これも素数なので23は安全素数です。

なぜ安全素数と呼ばれるか、それは今では重要となっている暗号理論に由来します。

RSA暗号と呼ばれるものなど、この世の中には個人情報を守るための暗号が普及しています。

実はそんなRSA暗号などは、素因数分解の難しさを利用しています。

え?素因数分解?と思われる方もいるでしょう。だってわたしたちが普段しているような素因数分解はあまり難しいものではないからです。

216と言われたら2や3という素因数が思いつきます。なので慣れてしまえば素因数分解は意外と簡単なのです。

...しかし、暗号にそんな簡単なもの使ってても意味ないですよね。もちろん、暗号で使われる素因数分解はもっともっと果てしなく難しいです。

今みたいな3桁くらいではなく、もっと何百桁もあります。何百桁にも及ぶ数を何百桁もある素数に分解するんです。これはコンピューターを使っても果てしない膨大な時間がかかると言われていて、現実的に破ることは不可能と言われています。

そんな素数を使った暗号理論では、できるだけ破られにくい数を使いたいところです。そんなときに、この安全素数を活用すると良いと言われます。個人情報などが漏洩されにくくできるので、安全素数と言われているんですね。

さて、安全素数というのは$p$と$2p+1$のうちの$2p+1$の方でした。というわけで、今日のクイズはこれです。

$p$のことをなんという?
①危険素数 ②ソフィー・ジェルマン素数 ③ノット・セーフティー素数

まだまだ暑い日が続くでしょうが、安全に気をつけて生活していきましょう!