突然寒すぎだよ...ッッ!
寒い...?寒くはないか....
とにかくそのせいで体調崩した...!

東京では最近突然気温がガクっと下がりました。体調を崩した方も少なくはないはずです。

暑いのがやだ...とは言ったけども!って感じですね。

秋が近づき、例の秋雨前線も出現しています。今回はまずその秋雨前線について考察したいと思います。

今回の対象は9月20〜9月23日です。

※ここから先は気象に関する知識があり、基本的な天気図の読み取りに慣れている方向けの内容となります。

 ド素人なので間違いを含む可能性がありますがご了承ください。

 また、この記事には9月21日の石川県での豪雨に関する内容が含まれます。気分が悪くなったりする方は閲覧しないことをおすすめします。

何を考察するか

まずはじめに、3日間の地上天気図(実況)をみて考えます。

9月20日9時地上天気図

三陸沖に、中心気圧1008hPaの地上低気圧の中心があり、25ノットで東進しています。そこから東に温暖前線、西に寒冷前線がのびていて、黄海あたりで停滞前線となっています。

本州の南東側に太平洋高気圧があり、夏の名残?がありますね。

オホーツク海にも1002hPaの地上低気圧の中心があり、25ノットで東進しています。

若干2つ玉低気圧のように見えなくもないですが、これよりも前の天気図的に違うように感じます。

あと、華北あたりに海上強風警報が発表されている低気圧があります。

9月21日9時地上天気図

黄海あたりにあった停滞前線が日本の東側にまでのびています。多分これが秋雨前線ですね。

2つ玉低気圧ではないと思いますが、2つの低気圧が合併したみたいです。水平気圧傾度も大きくなって勢力を強めていますね。中心気圧976hPa、30ノットで東北東進していますね。

あと太平洋高気圧の張り出しが弱まり、結構突然涼しくなったように感じます。

20日、華北にあった低気圧はこの時黄海にあります。

9月22日9時地上天気図

停滞前線は東に移動し、日本の東側に位置しています。

この大きな前線を伴っている発達した低気圧は中心気圧は変わらないものの海上強風警報が発表されています。

あと、富山湾付近?に黄海にあった、1000hPaの30ノットで東北東進中の低気圧があります。海上強風警報が発表されていますね。

 

今回はこの地上天気図をもとに、これらのことを考えたいと思います。

・秋雨前線について

・石川県での大雨について

秋雨前線の推移

1.850hPa相当温位

前線なんで、まず相当温位ですね。

20日9時 相当温位12・24・36・48時間後予想図

850hPa相当温位の予想天気図です。明らかに日本列島を横断している集合体がありますね。

時間が経つにつれて、等値線の間隔が少しずつ広くなっている気もしますが、それでも南縁は明瞭で、南下してきていますね。前線が南下しているということはつまり、寒気が南下しているということです。そして間隔が広くなると同時に水平傾度の大きい領域も広くなっていて、対流活動が活発化する領域が広くなるように感じます。

あと微妙に、停滞前線のところは温暖前線や寒冷前線のところと比べて、しっかり(?)風が収束しているように思えます。

太平洋高気圧の西側に高相当温位域があり、縁辺流の影響でしょうか。

21日9時 相当温位12・24・36・48時間後予想図

12・24時間後のものは、20日の24・48時間後のものとさほど変わりないです。ただ、36・48時間後になるにつれて、だんだん集合体が不明瞭化しているような気がします。これは23日のものなので、23日の地上天気図を示してみます。

2.秋雨前線の不明瞭化

23日9時地上天気図

停滞前線が西に行って、結構短くなっている気がします。前線自体は更に南下していますが、この前線を伴っている低気圧が22日までとは違いますね。多分、22日に富山湾付近にあった低気圧でしょう。中心気圧は2hPa高くなっていますが、勢力は強まっているように感じます。

21日9時アジア500hPa・300hPa高度・気温・風・等風速線天気図

22日9時アジア500hPa・300hPa高度・気温・風・等風速線天気図

23日以降の予想・実況天気図をとっておくのを忘れてしまった...のですが、とりあえず21日と22日はこんな感じです。

まず500hPaの等温線を見てみましょう。等温線は破線のやつですね。

21日は、-6℃の等温線は青森県あたりを通っていました。これが22日には、秋田・岩手県付近を通っています。等温線は南に移動していて、寒気が南下したということですね。

300hPaではどうでしょうか。300hPaの方には等温線がありませんが、矢羽のある地点での気温が表示されていますね。

21日、(たぶん)岩手県にある矢羽での気温は-28.1℃ですが、22日には-29.1℃になっていますね。これも寒気が南下してきた影響だと考えられます。この地点での風速が75ノットから105ノットに強まっているのは、もしかしたら寒気が強まり、周囲と比べて層厚が小さくなったからかもしれません。

 

こういうふうに見ると、なんとなく前線が明瞭化したように感じてしまいますが、今回は前線の明瞭化の話ではなく、『停滞前線の』不明瞭化の話ですね。

つまり、暖気も強くないと、停滞前線は成り立たないわけです。上の天気図を見ると...そんなふうには思えません。寒気だけ強まったことで、暖気がおされ、寒冷前線になったと考えられます。

...停滞前線は不明瞭になりましたが、結局のところ、寒気は南下したようですね。

石川県での大雨

9月21日、石川県では大雨被害がありました。

被害に遭われた方、皆さんのご無事をお祈りします。

なぜ、こんなにも雨が降ってしまったのでしょうか。原因は前線と低気圧両方にあると考えられます。

21日9時極東850hPa気温・風、700hPa上昇流/500hPa高度・渦度天気図

21日の700hPa上昇流(下)を見てみましょう。石川県あたりに-100hPa/hとかなり強い上昇流域があります。まず大雨の原因はこれだと考えられますよね。

前線が原因でしょうか?上の500hPa天気図を見てみますと、石川県付近に+100×10^-6の正渦度域がありますね。ここには何かしらのじょう乱があると考えられます。

もう一度地上天気図を見てみます。

9月21日9時地上天気図

石川県付近をよく見てみると...

前線上に小さな低気圧があります!これと前線が重なったことであんなふうに...なったのかな?とにかく、大雨はこのじょう乱だったり、前線のせいだと考えられます。

22日21時極東850hPa気温・風、700hPa上昇流/500hPa高度・渦度天気図

22日21時。石川県付近を見ても強い上昇流域は見られません。下降流もないのでこの頃には雨は弱まったか、止んだのではないでしょうか。ただこの少し前までは前線は石川県の近くにあったと思うので、22日はずっと弱まっていたというわけでもなさそうです。

なので、案外長く、石川県では雨が続いたそうです。

まとめ

今回はこのような考察になりました。

・寒気が強まったことで、秋雨前線なる停滞前線はだんだん寒冷前線に変わっていった。

・前線と低気圧が重なったことで、石川県では大雨となった。

だんだん秋になっていく感じがしますね。

先ほどもいった通り、石川県などで被害に遭われた方、皆さんのご無事をお祈りします。

では、また1ヶ月後!しっかりとした(?)秋になっていることを祈って!