5月17日
みなさんこんにちは。だんだん夏っぽくなってきて、風邪に注意しないとですね。
今日は、スミス数というものを紹介します。
$$517=11×47$$
スミス数とは、その数の素因数の各位の和がもとの数の各位の和となる数のことです。517を素因数分解して、その素因数の各位の和は
$$1+1+4+7=13$$
そして、もとの数517の各位の和は
$$5+1+7=13$$
と、等しくなっていますよね。
ちなみに、素数は定義上、スミス数の条件を満たしますがスミス数ではないとされています(つまりスミス数は合成数)。
...そういえば、5と17って素数ですよね。
もしかして...
$$5×17=85$$
$$5+1+7=13$$
$$8+5=13$$
...!!!!
これもスミス数になりました!
奇跡ですね。
自然数があって、その中には2つの素数が含まれていて、その2つの積もその数自体もスミス数になる。例えば2けたの数なら、22だけです。
実はこのスミス数は素数よりも出現頻度が低いそうです。なのでこの奇跡の数はそうそう現れそうにないですね。参考程度に、22と517の間にはこの数はありませんでした。
...さて、ふとした疑問なのですが、このようなサイクルが無限に続くような数はあるのでしょうか?
スミス数の中に素数が2つ含まれていてその積がスミス数になるので...
その2つの素数の積が元のスミス数より小さくなれば、無限に続くことはないと証明できそうです(ここではスミス数は自然数に限られるものとします)。
$p, q$を素数とします。すると、$p$と$q$がそのまま含まれている自然数は(qが1けただとすると)
$$10p+q$$
と表せます。また、その素数2つの積は
$$pq$$
です。これの大小を比べると...
$$10p+q>pq$$
が示せればよさそうです。左辺のqを移行して両辺をpで割れば...
$$10>\frac{pq-q}{p}$$
通分する前に戻せば
$$10>q-\frac{q}{p}$$
さて、2つ素数が組み合わさった数を出している時点で$p$と$q$は自然数です。このじてんで、この式が成立することは確かですよね(qは1けたで10未満なので)。
なので、とりあえずqが1けたの場合に限ってはもとより小さくなっていることがわかりました。
では、qが2けた以上の場合はどうでしょう?
...これはすぐに分かることですが、2けた以上になると左辺にある10は100、1000と増えていきます。10のときにqが1けただったように、100のときは2けた、1000のときは3けたと絶対にqは左辺の数未満になるんです。
よって、qが何けたでもこの不等式が成立することがわかりました!
なんだ、無限に続く数なんてなかったんですね。けた数によって限度は決まっているようです。
でも、素因数の和に全然触れないでこんなことがわかるのは面白いですね。
では、来週も楽しく!さようなら〜