5月3日

こんにちは。昨日は夕方にすごい雨が降って大変でした。ゴールデンウィーク後半、いかがお過ごしですか。

 

今回は前回の予告通り、超越数の長さの線が作図不可能であることを証明したいと思います。

...とはいいつつ、自分で考えたといいつつ、全く厳密な証明ではありませんし、イメージ的な話でしかありません。これはある一部のケースに対しての証明です。よろしくお願いします。

 

...まず、前提として与えておきたい事実があります。

・$\sin{x},\cos{x},\tan{x}$について、$x$が代数的な数だとするとこの3つは超越数になる(弧度法に限る)。

・作図では、弧度法で超越数の角($\pi$を含む角)しか作図できない。

ああ、たしかにそうかもなって感じになる、自分で考えたものを紹介します。

 

まず、作図の大前提として、有理数の長さ(1とか)の線が与えられているとします。

こんな円があるとして、ここでは半径を1としますね。

そして、太線2つと緑の線で囲まれた三角形(二等辺三角形)があって、外角aがあるとします。

また、この外角は作図によって得られたものです。なので、弧度法では$\pi$を含んでいます。そして、黄色の線は緑の線に対して垂直(つまり高さ)です。

ここで、黄色の線と緑の線は長さが不明ですね。

まず、黄色の線の長さを求めます。

青の点が打ってあるところの角度は、外角が$a$であることと、二等辺三角形が形成されていることから$\frac{a}{2}$とわかります。加えて黄色の線は高さであることから(斜辺が1の)直角三角形が形成されているので、

$$黄色の線=\sin{\frac{a}{2}}$$

となりますね。また$a$は超越数なので$\frac{a}{2}$も超越数。最初与えた前提より、黄色の線の長さは超越数ではないです。

...同様にして、緑の線の長さも

$$緑の線=2\cos{\frac{a}{2}}$$

より超越数ではないとわかります。

...これは直角三角形とかに対しても言えますよね。

 

...とりあえずこうすることで、(作図できる)円の中で(作図できる)線は、超越数の長さにはならないということがわかります。超越数の長さの作図ができない。ちょっとは、イメージしやすくなりませんか?

しっかりとした証明をするには、大学レベルの数学が必要になるみたいですが...

ちなみに、円周率$\pi$が超越数であることは、リンデマンの定理というもので証明できるみたいですが、ここでは割愛します。

円積問題って奥深そうですね。

では来週も張り切っていきましょう!