9月7日

9月が始まりました。だんだん秋が近づいていますね。

本日9月7日は、ジョルジュ=ルイ・ルクレール・ド・ビュフォンという数学者の誕生日です。数学以外にも植物についてなどを研究していたとか。

モンバールというフランスの土地で生まれた彼は、確率論などで功績を残しています。

そんな中で、今回着目したいのは、『ビュフォンの針』という問題です。内容は次のようなもの。

1.まず、床にいくつかの平行線を引きます。

2.その後、床に適当に針を投げる。

3.投げた針と、はじめに引いた平行線が交わる確率は?

床に平行線をいくつか引く、と言っても、等間隔で引きます。そして、線は無限個あるとします。

証明するにはガッツリした(?)数学の確率論が必要なのですが、とりあえず、交わる確率は、

$\frac{2×(投げる針の長さ)}{\pi×(平行線の間隔)}$

となります。ただし、ここで針の長さは平行線の間隔以下という条件があります。というか、針の長さがあんまり長いと確率が1以上担ってしまいますしね。

ちなみに、針の長さが平行線の間隔より長い場合、確率は

$\frac{2×(投げる針の長さ)}{\pi×(平行線の間隔)}(1-\sqrt{1-\frac{(平行線の間隔)^2}{(針の長さ)^2}})+1-\frac{2}{\pi}\arcsin(\frac{(平行線の間隔)}{(針の長さ)})$

という、先ほどとは打って変わって複雑な式になるのですが...

なにはともあれ、この式には円周率πが登場していますよね。不思議な話です。

だから何が言いたいか?そうです、これを使えば円周率の近似値が求められるのです。

まず、この問題の条件通り、適当な長さの針と適当な等しい間隔で平行線をいっぱい引いた床を用意してください。ただ、あんまり計算を複雑にしたくないので、針の長さは平行線の間隔以下としましょう。

それで...まあ1000回針を投げてn回平行線と交わったなら、交わる確率はだいたい

$\frac{n}{1000}$

ですよね。無限回投げれば、この確率は正しいものになるはずです。

そして、交わる確率は数学的に

$\frac{2×(投げる針の長さ)}{\pi×(平行線の間隔)}$

ですので、投げる針の長さを$l$、平行線の間隔を$d$とすると、

$\frac{2l}{\pi d}=\frac{n}{1000}$

ですよね。色々式変換をすると...

$\pi=\frac{2000l}{nd}$

となるわけです。こうすれば、この実験によってだいたいの円周率がわかるわけです。

こういうランダムなやり方をモンテカルロ法というのですが、他にもモンテカルロ法を用いて円周率の近似値を求める方法が色々あるようです。考えてみると面白いかもしれません。

では、来週も元気で!